上製本の3種の構造

上製本の構造には「タイトバック」、「フォローバック」、「フレキシブルバック」という3種類があります。この言葉をご存知でしょうか。表紙と本文の関係で重要な役割があります。

「タイトバック」という構造は、本文の背と表紙の背の内側が接着されていて、本は本文用紙のしなり以上にノドが開かない為、ノドの強度が確保されます。但しノド側の開きはイマイチです。本文が無線綴じやアジロ綴じの場合、ノドの強度を確保する為、ほとんどがタイトバックになります。また、大型の角背上製本や横判の絵本、厚紙を使った本等はよくタイトバックが使われます。書店などで目にする角背本はタイトバックが多いかと思います。

「フォローバック」という構造は、本文の背と表紙の背の内側が接着されていない為、ノドの部分の紙のしなり以上に本が開きます。本文が糸かがりの角背本・丸背本や角背PUR上製本の場合、ノドの部分に強度がある為、タイトバックにする必要がなく、ほとんどフォローバックで作られます。なのでノド側の開きが良いのが特徴です。

「フレキシブルバック」という構造は、タイトバックと同じで本文の背と表紙の内側が接着されていますが表紙の背に柔軟な素材を使うため、本の開きは良いです。ただし本を開くと表紙の背も一緒に曲がるので、表紙の背が傷みやすいのが欠点です。

これら3種の構造の、「強度の確保」、「開きやすさ」、「強度と開きやすさ」を理解し、長期保存や短期使用、頻繁に開いて使う物等、使う目的や素材でベストな選択をしたいものです。

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