PUR製本とは?③

①、②では接着剤(ホットメルト)の特性の違いについて説明しましたが、今回は、PUR製本の強みを利用し、どんな本が出来るのかについて掘り下げてみたいと思います。まず特徴的なのが、ペラ丁合で少部数の厚紙の無線綴じが出来る点です。

一般的な無線綴じ製本の場合、厚紙ですと紙自体の腰や強度が高くなるため、本を開いた時にノド側の接着部分に力がかかり、割れたり壊れやすくなってしまいページ抜けが起きてしまうのです。そのため8頁や16頁の折り丁にして綴じるアジロ綴じにしてページ抜け防止の対策をしなければなりません。そうなると印刷も8頁や16頁の面付けとなり、オフセット印刷になってしまいます。頁数が多ければ刷版数も多くなり印刷コストもかかります。製本も折り丁にしなければならない為、断裁や折りの工程も必要になりますし、頁数が多ければ何台もの折り丁を丁合し、製本しなければなりません。仮に30部だけ作りたいと思ってもその何倍もの予備用紙やコストが必要になることから予算が合わなくなってしまうのです。そこでオンデマンド印刷機で頁順に印刷し、ペラ丁合の状態でPUR無線綴じにすることで、工程を短縮し、少ない予備用紙で、厚紙の無線綴じが可能になるので、少部数の製本に強みを発揮します。

“PUR製本とは?③” への1件の返信

現在コメントは受け付けていません。