PUR製本とは?②

①ではホットメルトの特性の違いとしてEVAホットメルトの特性まで説明してきましたが今回はPURホットメルトの特性を説明していきます。

PURホットメルトはポリウレタンを主成分にした接着剤で、柔軟性があり耐熱温度は120度と高く、耐寒温度もマイナス20度と温度変化に強い特性があります。また、耐インキ溶剤性に優れ、古紙リサイクル特性も良く、接着性も2~3倍の強度が得られることからメルトの塗布厚を薄くすることが出来るため開きの良い本が出来るという特徴があります。ここまで読むと良いことばかりですが、生産工程では逆に使いづらいといわれていてます。紙を削って繊維を出し、120度で溶かしたメルトを浸透させて接着するのですが、強度が上がるまでに時間を必要とします。工程を分ける必要も出てきます。それはPURホットメルトが紙や空気中の水分に反応し、時間と共に接着強度が上がっていくという特性があるからです。反応時間はメルトの改良により短くはなりましたが、EVAホットメルトのようにすぐに本を開くということが出来ません。PURホットメルトは加熱して製本するときに使用しますが、一旦空気に触れ一度反応が終わってしまうと固まり、使用する前の状態には戻りません。ここがEVAホットメルトとの違いで、残ったメルトを再度使用することが出来ないのです。使用するたびに新しいメルトを用意する必要があるので、出来るだけ何点かのお仕事をまとめて製本しないとコスト的に効率の悪い仕事になってしまいます。PUR製本は、良い本が出来るのですが製造コストも高くなるものとご理解いただければと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です