断裁の失敗

製本では紙を断裁したり折ったり綴じたりして加工していきますが、まず印刷された紙の大きさを揃えたり、印刷位置を合わせたりする前断裁が必要になります。紙の厚さにもよりますが500枚とか1000枚の紙をまとめて断裁します。1枚1枚断裁するわけではないのです。ですのでまずその紙をきれいに揃えなくてはいけません。この紙揃えが悪いと断裁したときに印刷位置がバラバラになってしまい、後工程の折り位置や、綴じた時の印刷位置が不ぞろいになり見た目の悪い本になってしまいます。最悪文字が欠けたりして、刷り直しになる場合もあるのです。断裁は、まず紙をきれいにそろえることから始めますが、これがなかなか簡単ではないのです。100枚ほどの紙に空気を入れ、揃え機の振動で紙を揃えるのですが、印刷後の静電気などにより紙がくっついて大変です。でもこの紙をきれいに揃えることが出来るようにならないと、断裁は出来ません。失敗してしまいます。そして断裁は紙を切るわけですから失敗すると、元に戻せません。刷り直しになってしまいます。紙揃えがしっかりしているか、断裁位置に間違いがないか、熟練者が緊張感をもって業務を進めていかなければなりません。

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